Q 永代使用権ってどうゆう意味ですか?
 
A 墓地の取得権のことです。

 墓地を求めるにあたって、心得ておかねばならないことは、墓地は宅地分譲などのように、
 土地そのものが売買されるのではなく、「永代使用権」を得るというかたちを取ります。
 つまり、墓地の取得は、所有権譲渡ではなく、永代使用承諾という方式で扱われ、そこで
 支払われる代金を「永代使用料」と言います。

 永代使用権には期限がなく、それは永久の権利ですから、使用者の権利は、代々にわたって
 受け継がれていくことになります。
 法律でも、そのお墓を祀る者に対して、墓地使用権の相続は認められているのです。しかし、
 第三者に譲渡したり、墓所以外の目的に使用することは一切できません。

Q お墓をたてる時期は
   決まっていますか? 

A 時期に決まりはありまあせん。

 一般に、仏事(法事)のないときにお墓を建てるは好ましくと言われていますが、これは根
 も葉もない迷信です。何かの仏事に合わせて建てれば、開眼法要も一緒に行えるから、仏事
 のある時の方が都合が良いと言うことでしょう。

 年忌にとか四十九日あけ、春秋の彼岸、盆、祥月命日に合わせて.....とお考えの方が
 多いようですが、その時期に多勢の人が集まり易いからです。
 お墓は、それを建てることによって、先祖や死者の供養が始まるのですから、早い時期にこ
 したことはありません。
 事情があって、半年、1年のうちに建てられない場合は、とりあえず墓地だけを求め、埋葬
 をすませて木製の角塔婆をたてておいても良いのです。

Q お墓はどのような構成で
   成り立っているのですか?

 A 基本的には外柵、カロート、墓石の三つです。

 ひとくちにお墓といっても、墓石だけが地面の上に建っているわけではありません。その
 基本構成としては、外柵(境界石)が設けられ、カロート(納骨室)があり、そして墓石
 が建つのです。

 外柵
 墓域は浄土であり仏国土である”という考えが、外柵を廻らした始まりです。
 お墓は代々に受け継がれていきますから、それだけに、隣接する墓所との境界をはっきりさ
 せ、また永年の風雨によって墓所の地くずれや陥没がないように、外柵の基礎をしっかりし
 ておかなければなりません。

 カロート
 カロートについては、その様式として大体二つに分けられます。地下あるいは地上に設ける
 場合です。
 また同じカロートでも、中に棚が設けられているものと、そうでないものがありますが、
 形や大きさなどについては、石材店に相談するのが良いでしょう。

 墓 石
 墓石については、芝台、中台、上台そして文字を刻む竿石と、花立、水鉢、線香立といった
 法具によって構成されています。付属品
 一般に用いられる代表的な付属品は、塔婆立・墓碑・灯籠・物置台・名刺受け等。

Q 墓地の広さはどのぐらいが
   適当でしょうか?
 A 公園墓地は3〜5u
   寺院墓地は1.5〜3u

 墓地の区画面積を表す単位は、統一された基準というものはなく、運営管理主体によって異
 なっている場合がありますから心得て起きましょう。
 現在の霊園は、大体メートル法によって面積別に区画されていますから、そのまま受け取っ
 ても良いのですが、寺院墓地では、今でも尺貫法で区画しているところもあります。
 墓地の広さは、間口×奥行の長さで計算されますが、霊園では間口の1倍から1.5倍の
 前後の奥行が標準です。
 では、理想的な間口と奥行の比率は
uの場合は1,5×2E
uの場合は1.5×2.7E
uの場合は1.7×3Eが目安となります。

お墓のかたち

Q お墓のかたちに
  決まりがありますか?


A 決まりはありません

 一般的に和型が多いようですが最近では、記念碑的なかたちや、洋型もふえています。和型
 の場合ふつう台石は2段に重ねてあり、その上に竿石が据えてあります。
 この意味は、竿石を天、2段目台石を人、下の台を地、つまり天・地・人の三位に見立てて
 いるのです。上から天を人体(健康・家庭円満)、人を動産(家業・事業の安泰)、地を
 動産(財産の維持)という表現です。
 洋型にするなら、台石を2段にしてその上に横にした竿石をたてるのがよろしいでしょう。
 何故なら、天・地・人とする三つの理は、洋の東西を問わないからです。

 めずらしいかたちのお墓には、基盤型、将棋盤型、将棋駒型、酒樽型、徳利型、三味線型
 などが昔からあります。自然石の墓もあり、織田信長、明智光秀、清水次郎長、野口英世
 などのお墓がそうです。
 どのようなかたちにするかは、心のふるさとになる「住居」ですから好きなかたちでたて
 ても良いのではないのでしょうか。
 五輪塔については、いままでは大体ふつうのお墓の、特に祖先を供養するため供養塔とし
 てたてます。
 これは日本人の考えだした最初の墓のスタイルで、真言宗開祖の空海(弘法大師)が、
 空・風・火・水・地をヒントにして、真言密教の教えをこの五輪塔に託したと言われてい
 ます。

  墓石のおおきさ

Q 墓石の大きさはどのぐらい
  が良いのですか?

A 3〜5uの墓地で

  和型の場合は8寸角(24p)の竿石  洋型の場合は
  高さ1.6尺(約53p)×横2尺(約66p)が適当です。

  大きさに決まりはありませんが、墓石の大きさを表す単位として、和型の場合、ふつうは、
  7寸角(21p)・8寸角(24p)・9寸角(27p)というように一寸きざみに大き
  くなっていきます。
  それに比例して、竿石の高さ、上台石、下台石の幅や高さなどの全体が違っていきます。
  花立、水鉢など付属品のサイズもすべてバランス良く変わっていきます。

  最も多く建てられている和型墓石の大きさは、8寸角と9寸角です。これは伝統、習慣に
  踏襲されてきたことと、現在では、3〜5u前後の墓地を求める人が多いことから、全体
  的なバランスをみると、この面積には、8寸角と9寸角がふさわしいのです。
  墓地の広さとバランスを考えれば、和型・洋型いずれの場合でも、大きさの選択は自由
  なのです。

  石の種類

Q お墓の石にはどのような
  ものが良いのですか?

  A  御影石と言われている
    花崗岩がふさわしいようです


  一般には、花崗岩を筆頭に、安山岩、斑糎岩、閃緑岩が大部分を占めています。
  これらの石は、硬質で風化に強く、しかも磨くと光沢がでることから、仕上りが実に美
  しいのです。墓石には理想的な種類といえましょう。

  墓石の文字

Q 墓石に刻む文字は
  色々あるんでか?

  A 何を刻むかは自由です。

 墓石に刻む文字には、ふつう戒名・法名のほかに俗名、霊名、本名などがありますが、
 最近では分家初代の人がたてることが多いせいか○○家の墓」と刻む文字がふえています。
 また、「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」といった題目もみられますが、このように、
 仏教の教えの中から文字を用いる場合は、宗旨宗派を区別して用いなければなりませんから、
 ご住職に相談すべきでしょう。書体についても別に決まりはありません。

いろいろな書体
  
楷書・行書・草書・隷書・ゴシック など

  宗旨宗派によって多少違いますが、戒名の上には、ふつう院号、道号をつけ、下には男
  に居士、禅定門、信士、女には大姉、禅定尼、信女の位号を、子どもには産児、童子、
  童女などをつけることもふつうです。竿石の側面、裏面には建立者名や建立年月日、
  あるいは故人の戒名、死亡年月日、俗名、死亡時の年令などを刻みます。
  これは、石材店に必要事項を提示しておけば、希望どおり彫刻してくれます。
  変わったところで、特に有名文芸人の碑の中に詩や歌を記しているのもあります。石川啄木
  の”東海の小島の磯の白浜にわれ泣きぬれて蟹とたわむる”。
  最近では、一字だけの文字もみられます。例えば、情・夢・空・心・愛・憩い・風・寂光・
  淨・真・眠など。
  本名を刻んだ墓石には、坂本竜馬・吉田松陰・西郷隆盛・山田耕筰・山本周五郎がそうす。
  常識的なものなら、自由に何を刻んでも良いでしょう。

  お墓の費用

Q お墓をたてる費用は
  どのぐらいかかりますか?

  A 墓地の広さや石材、また仕上げ方に
    よってその価格もさまざまです。



  開眼法要

Q 開眼法要とは
  どういうことことですか?

  A お墓に永遠の生命を
    与える儀式ことです。


  新たにお墓の工事が完了し、すべて整えられますと、として宗教的な機能をはたす”場”
  にする法要が営まれます。これを開眼法要といいます。
  お墓に魂を入れる儀式で、墓石や五輪塔、その他の供養具に永遠の生命を与えることにあ
  ります。

  墓石の下に遺骨を納める場合は”納骨式”、五輪塔については写経を納める”埋経の式”
  とそれぞれの儀式が行われてから開眼法要をします。
  これは、宗派を問わず現世に生きる者の務めであり家族は勿論、主だった親戚の人もあつ
  まって行いたいものです。


  埋  葬

Q  埋葬の手続きを
  教えてください。

  A まず「埋・火葬執行済証明書」が必要です。

   人は一生を終えても、なお法律が、かかわりあいます。”土に還す”いわゆる埋葬にあ
  たっては、先ず医師の証明する「死亡診断書」の提出が最初の手続きとなり、告別式がす
  みます。火葬の際には「埋・火葬許可証」を必要とし、この許可証に”火葬執行済み」が
  記入されてはじめて埋葬へとはこびます。埋葬の手続きをしないで霊園に行きますと受け
  付けられない場合がありますので注意しましょう。

  埋葬のときの注意事項

1.霊園使用承諾証
2.埋・火葬(又は改葬)許可証
3.印鑑(普通の印でよい)
  が必ず必要です。
  この場合、ふつうは埋葬(又は改葬)届も提出しますが、その場合、使用者と被埋葬者の
  氏名と続柄を記入します。
  続柄が同一家族でない場合は、使用者の承諾書が必要となります。
  家族の一人が死んだからといって役所への届出をせず、内輪だけで葬式をすませてお墓を
  たてるというできません。

  お墓の相続

Q お墓を相続する者は決められているのですか?

  A その祭祀を主宰する者が相続します。

  お墓の永代使用権を誰が相続するのかということになりますと、民法では「墳墓と祭具の
  相続は、その祭祀を主宰する者が、これを相続する」と定められています。その主宰者が
  夫婦二人の名前とか、兄弟全部の名前、あるいは建墓費用を出した人の名前を列記したり
  するのは好ましくありません。というのは、誰が祭祀の主宰者かが全くわからないからで
  す。

  現在の民法では、兄弟すべて平等に親の扶養義務があり、また相続権を有とはいうものの、
  お墓の相続について当事者のなかでも相談役などに適したリーダー的な者が相続している
  場合が一般的なようです。
  いくら立派なお墓でも、石材店がひきとってくれるものでもなく、第三者に売るなどとは
  不可能ですし、税金がかかるものでもないから、お互いの話し合いで、誰が適任者である
  かを決めればよいでしょう。

  お墓の移転

Q お墓を移転したいのですが?

  A まず、改葬の手続きをしてください。

 移転や転居などでお墓にも移転の問題が生じます。現に埋葬し、または納骨堂に収蔵して
 ある遺骨を他の墓所に移す、いわゆる改葬については、市町村より改葬許可書を受けなけ
 ればなりません。この交付を受けるには@改葬許可申請書とA受入証明書のほか印鑑を持参
 して、現在、遺骨が埋葬されている墓地か納骨堂が所在する市区町村役場に提出します。
 地方によっては受入証明書を必要としないところもあります、また除籍妙本を必要とする
 ところもあるようです。

 ひとくちに、お墓を移すといっても、古い墓石を単に処分するだけではありません。まず
 お墓を無縁仏にするための法要をつとめます。この法要はふつう”お魂ぬき”(除魂式)
 と言われ、いわばお別れの法要というべきものです。そうして、法要を終えた墓石は無縁仏
 の石碑ばかり集めるところにまとめられます。

 墓 相

Q 墓相とはどのような意味をもちますか?

A かたちや方位で吉凶を占うことです。

 墓相とは手相、人相、家相などの”相”と同じく、墓石のかたち、色、方位などで吉凶を
 占うものです。
 例えば、青色・黒色・淡紅色は凶相で、白は吉相だと言われていますが、最近では良質で
 重量感のある”黒”が圧倒的に人気をよんでいる面白い現象がでています。また、東向き、
 南向き、東南向きは吉で、西、北、西北などは凶となっていますが、仏教では「西方浄土」
 と言われ、また仏典でも「おはかはこのようにたてるべきだ・・・」
 という教えはありません。

 ご先祖のおかげでこんにちあることを喜び、その喜びを表現し、やがて自分も一諸となる”
 場”として真心をこめて合掌できるお墓つくりであれば少しも不都合は生じないでしょう。
 最近では「要は、心がまえ一つだ・・・・・」と言う人が多いようです。
 その例をあげてみますと、青色墓石には山本周五郎、淡紅色には野村胡堂、黒色には渋沢
 栄一、福沢諭吉。また、奇形のお墓には大杉栄、石川啄木などがいます。背丈より高いお墓
 も良くないとされていますが、徳川家康、豊臣秀吉、三島由紀夫などの石碑はかなり高いも
 のです。常識的に考えて、じめじめしない風通しの良いところであれば良いでしょう。

  お墓と税金

Q お墓と税金について
  知りたいのですが?

   A お墓には一切税金は 
    かかりません。

  購入したとき

  土地や建物など、不動産を取得したときは、登録免許税、不動産取得税、固定
  資産税を払わなければなりませんが、墓地の場合、不動産取得税と固定資産税についてはそ
  れぞれ地方税法の定めるところにより、また登録免許税も国税の定めるところにより非課税
  扱いとなり、取得にあたって税はかかりません。

   相続したとき

  続財産を税の面でとらえてみますと、課税財産と非課税財産とに分けられます。お墓は、
  相続税法の定めるところにより、墓地、霊廟、祭具類はすべて非課税扱いとなっていま
  すので、申告しなくても良いのです。

   処分したとき
 
  お墓は、財産であることに違いはありませんが、税務の取り扱い上では固定資産の中に
  含まれていないし、所有権の売買ではなく永代使用権の使用であるとこらから、お墓を
  売るということが現実にはありえません。売買における所得税などは全く考えられない
  のです。

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